東京ルミナスピラー

「そう……よね。あなた達も心配よね。ごめんなさい。私一人で抱え込もうとしてたみたいね」


「わかったら早く寝る。母さんが倒れたら、私と葵だけじゃ家事をするのも大慌てなんだからね」


灯の言葉に、母さんも反論できない様子で苦笑いを浮かべる。


俺としては、これで休んでくれるならありがたい。


なんというか、こういう説得は苦手なんだよな。


「ごめんね。じゃあ、少しだけ休ませてもらうわ。でもその前に……葵に少し話があるの」


「え? 俺?」


母さんが改まって俺に話をするなんて珍しい。


母さんについてリビングを出て、玄関から外に出た。


「話ってなに? 灯には聞かせられない話なの?」


俺がそう尋ねると、母さんはゆっくりと振り返って、俺の目をジッと見たのだ。


「葵には話しておかなければならないわね。昨日言っていた高山真治は……あなたの本当のお母さん、北条恵梨香の恋人だった人よ」


「は?」


いや、いきなり母さんは何を言っているんだ?


高山真治って、俺に「招待状」って書いたメールを送ってきた人だろ?


母さんの恋人だったってことは……。


チラリと玄関の横にある花に目を向けた。







「高山真治は、恐らくあなたのお父さんよ」