東京ルミナスピラー



パンッ!



乾いた音がロビーに響き、ぶたれた夕蘭は何が起こったかわからない様子で。


「あ、葵のことを何も知らないくせに! 葵はね、お母さんが命懸けで守って、うちの両親に引き取られたんだよ! だからそれには意味があったんだって……葵の気持ちもわからないで何よ! 葵はそんな変なこと考えてない!」


「あ、灯! 俺のことは良いからさ! そんなに怒るなよ」


「全然良くない!」


俺のことで怒ってしまうのは灯の悪いところだ。


そんなことは気にしなくていいのに。


灯の剣幕に圧されたのか、夕蘭は驚いたように口を開き、小さく「ごめん」と呟いた。


「と、とにかく。葵くんが面倒を見るかどうかは保留にして、新しく仲間が増えたと考えたら喜ばしいことじゃないの。俺達は経緯はどうあれ、ここに集まった仲間なんだ。皆で協力して生きようじゃないか」


なんとかこの場を収めようと、浜瀬さんが上手い具合にまとめてくれた。


「はいはい、じゃあ今後の方針を話し合うよ。鬼の偵察と牽制もしつつ、お昼の聖戦に参加するかどうかも決めなきゃだからね」


こういう時、俺と灯しかいなかったら空気が悪いままだったかもしれない。


成り行きとはいえ、この人達と仲間になれて良かったよ。