東京ルミナスピラー

「ん? おかえり灯。光も一緒だったか。そして……」


灯の家の前で、水撒きをしているボサボサの頭の初老の男性。


それが灯のお父さんだというのはすぐにわかった。


「あ、あの……高山葵です。はじめまして」


「葵……はじめましてじゃないだろ?」


そう言われて、慌てて下げた頭を上げた。


「葵の両親とは、忘れたくても忘れられない経験を共有した仲間だ。お前のこともよく知っている。だから、自分の家のようにくつろぐと良い。俺は大歓迎だね」


タバコをくわえながら、ジャバジャバとホースで水を撒いているお父さんは、とてもおおらかそうで、優しそうな印象を受けた。


やはり父さんと母さんの知り合いで、とても深い関係だったのだろう。


「あ、あの。両親も一度挨拶にと言っていました」


「気にしなくてもいいのにねぇ。でもまあ、久し振りにあいつらと話すのも悪くない。懐かしい話も出来そうだし、いい酒が飲めそうだ」


顔をクシャッと歪めて、嬉しそうに笑って見せたお父さんに、俺も思わず笑顔になる。


「あら、ダメよお父さん。肝機能が低下してるってお母さんが怒っていたわよ?」


「ぐっ! 光にまで止められるとは思わなかった……別に良いだろぉ? たまに飲むくらいさぁ」