フェンリルとの戦いでどれほどの死者が出たか、そしてどんな手段を持って倒すことが出来たか。


話を聞いてると、泥臭いこっちの戦いとは違って、まるで神話の世界の戦いのようだった。


「ところで、さっき大きな地震のようなものを感じたんだが、バベルの塔から轟音が聞こえてような気がするんだ。今、千桜さんとマスターに調べに行ってもらってる」


「ああ、ワシも気にはなっとったが、判断が早うて助かるわ。いよいよ……その時が来たかもしらんからな」


大和さんの言うように、結城さんの的確な判断力には恐れ入る。


俺は戦いが終わって、気持ちが落ち着いてから見に行こうとしていたから、こんなに早くに偵察を送っているなんて思わなかったよ。


「それよりこいつらはどうするんだよ。まさかこんな気持ち悪ぃ物を持ち帰るつもりじゃねぇだろうな?」


杉村が尋ねると、大和さんは唸りながら首を傾げて。


「美空ちゃん。地下にあるとかいう秘密の部屋に、津堂と煌我を放り込んでくれんか? もうここまで来たらこいつらから聞ける情報なんかあらへんやろうし」


「あのねえ! 僕の部屋はゴミ捨て場じゃないんですけど! それに先客もいるから、どうなっても知らないんだからね!」