東京ルミナスピラー

行き当たりばったりの杉村が、ひなたを連れて指定されたビルにやって来たのは、それから2分後のことだった。


「ヒュー。やってるねぇ。このまま化け狼もぶち殺せそうだ」


「こんな時に冗談言わないでくれる!? それで、何の用なのさ! 見ての通り、僕達こき使われすぎて死にそうなんだけど!」


タバコを吸いながらフェンリルを見ている名鳥に、念を送っているかのように手を伸ばしている伊良、そして美空と希澄は瓦礫をフェンリルにぶつけている。


名鳥はともかく、ここは見えない戦いを続けている現場なのだ。


「ちょっとした提案なんだけどよ。相手は狼だ。火には弱いかと思って、ひなたちゃんを連れて来たんだけどよ。美空ちゃんの超能力で炎の檻みたいなのが作れないかなーってね」


「おお、冴えてるな杉村。どうだい美空ちゃん。ひなたちゃんの炎の魔法を超能力で……」


お気楽に話をする杉村と名鳥を見て、美空は呆れたようにため息をついた。


「あのねぇ! 僕の超能力は、物を動かしたり瞬間移動したりは出来るけどさ、そんなこと出来るわけないでしょ! 超能力を一体なんだと思ってるのさ!」


超能力を使える美空には当然のことかもしれなかったが、名鳥と杉村にはその言葉の意味は理解出来ていないようだ。