東京ルミナスピラー

悔しそうな表情を浮かべる月影の肩をポンと叩いたのは、微笑みを浮かべた拓真だった。


その隣には舞桜がいる。


「そう背負い込むなよ月影。ここにいるやつらは、皆死を覚悟してる。だけど、死んだとしても誰かがその想いを継いで戦ってくれる。そう考えてるから、命を投げ出して戦えてるんだ。まあ、放っておいたら被害は広がっちまうから、お前みたいに指示を出すやつがいなきゃならないのは間違いないけどよ。何でもかんでも自分のせいにすんなよ」


「新堂……お気楽ですね。でも、今はそのお気楽が羨ましい。私もそんなマインドでいられたら、どんなに楽だったか」


俯く月影を見て、拓真の隣にいた舞桜が口を開いた。


「私は……あの日、私を救い出してくれた英雄の背中を、名を追い掛けてた。でも、私は英雄じゃない。少しでも近付きたかったから必死に生きたんだ。私は英雄になりたかったわけじゃない。私は私だから。だから、月影も月影のままで」


自分よりも年下に言われるとは思ってもいなかったのか、月影は何か憑き物が落ちたかのような顔で。


「いい……英雄に出会ったのですね。杉下舞桜。良ければその英雄の名を聞かせてはもらえませんか?」


「……私の英雄は、結城昴」


その言葉を聞いて、月影はフフッと笑みを零した。


「奇遇ですね。私が背中を見ていた英雄も、同じ名前です」