東京ルミナスピラー

それを見て、津堂は嬉しそうに笑い、嬉々として短刀を構えたのだ。


「いいぞいいぞ。何も知らない愚者が、与えられた情報が正義と信じ込み、『我、真理を得たり』と他人を平気で糾弾する。相手にどれほどの正義があろうと関係ない。自らの正義が絶対と信じて止まない。わかるか? お前のことだ」


ゆらりと津堂が揺らめいた。


と同時に低く、地面を這うような体勢で俺に向かって走って来る。


「だったらお前に正義はあるのかよ! 人を化け物に変えることの、一体どこに正義があるって言うんだ!」


それを迎え撃つように、鞘から引き抜く超高速の抜刀術。


冷たく輝く刃が津堂の首に滑り込むが……手応えなく、そこに残った津堂の像を虚しく斬るだけ。


「ではお前に問おう。バベルの塔で何を願う。まさか元の世界に戻してくれなどと頼むつもりではあるまいな?」


既に背後に回り込んでいた津堂が、素早く俺の背中に短刀を突き刺すが……今度は俺の残像だ。


殺気を残し、宙に舞っていた俺は、着地と共に津堂の両腕を切り落とした。


「だったら何だってんだ! これで終わりだ津堂!」


今回は殺すことが目的じゃない。


津堂を捕らることが最優先される任務なのだ。