『吹雪さん、千桜さん、聞こえるか? 美空ちゃんの超能力で、思考をリンクさせてもろた。何かおかしな動きがあったらすぐに伝達出来るようにな』


『えっ!? 何これ何これ! すっごいんだけど! え? 思考をリンクって、もしかして変なこと考えたら丸わかりってこと?』


『なんと……これが超能力とは。とんでもない力を持っているようですね、美空ちゃんは』


大和さんの呼び掛けに、吹雪さんと千桜さんが慌てた様子で返答する。


美空ちゃんは得意げな表情で俺に頭を撫でろと催促している。


年上の女性にこんなことをするのは気が引けるけど、それでも機嫌を損ねないように美空ちゃんの頭を撫でる。


『北軍と南軍はどうや? 予定通り展開しとるんか?』


『南軍はすでに指定ポイントまで軍を進めました。私の熱感知には津堂と煌我らしき反応はありません』


南軍はさすがと言うべきか。


月影派と伊良派の統率の取れた動きが、見ていなくても容易に想像出来る。


『北軍はちょいと手間取ってるね。何とか協力してくれるグループを掻き集めたけど、もう少し時間が掛かるよ。西軍に余裕があったら少し戦力を回して欲しいくらいだね』


『そか、わかった。西軍には北軍と南軍と協力するように伝えてある。ワシらはこのまま侵攻するで。あの腐れ外道達は絶対にここでとっ捕まえてやるわ』