「いやはや、それほど大袈裟な力ではありません。遠くにいたらわかりませんし、半径200mがいいところです。漏れのないように頑張りますね」


それでも、何もわからないよりは全然ありがたい能力だ。


電車の前に集まった俺達は、線路を東に向かって歩くことにした。


怪しい動きがあれば、吹雪さんと千桜さんが教えてくれると思うけど……このリンクは何人くらい可能なんだろう。


「美空ちゃん、吹雪さんと千桜さんも超能力で繋げられないか? いくら見張ってるって言っても、報告に時間が掛かったら意味が無いだろ?」


「出来なくはないけどさ、ちょっと疲れるんだよね。これやってる時は他の超能力も使えないしさ。でも、葵くんの頼みなら僕、頑張っちゃう。吹雪さんと千桜さんってどんな人だっけ?」


何でもかんでも同時にというのは無理なのか。


それでも、この能力は物凄く使い勝手がいいし、これだけでも十分価値がある。


「お、出来るんか? 吹雪さんは長身で爆乳の美魔女、千桜さんは全身オレンジのハゲや。わかるか?」


吹雪さんと千桜さんの説明に差がありすぎる!


でも、これ以上ないくらい的確に特徴を表しているんだよな。


「あーはいはい。わかった。じゃあ繋ぐからね」


そう言って、美空ちゃんが指を鳴らした。