東京ルミナスピラー

グラリと膝が折れそうになり、慌てて宙を手でなぞる。


それがPBSを開いてしまう動作になり、何とか踏みとどまって体勢を立て直そうとしたけど……そこで俺の脳裏にあるビジョンが浮かんだ。


すぐさま回復を押して、腹部にランスが突き刺さった状態で回復が始まる。


「何っ!? この状態で回復だと!?」


驚いた黒井に、俺の左のトンファーが迫る。


何かを思い出したかのように、黒井が焦った様子で前屈みになってそれを回避するが……。


「ぐふっ!」


その背中に、宗司のハルベルトが突き刺さって黒井は顔を上げたのだ。


「ランスを押さえれば動けなくなる。身体を張ったな、葵!」


そんなつもりはなかったんだけど、ランスが腹部を貫いた時、母さんが似たような状況になっていた映像が頭の中で流れた。


ランスで腹部に風穴を空けられて、それでもなお一歩踏み出した母さんは……。


俺の右のトンファーが、顔を上げた黒井の顔に向かって振り抜かれる。


「また……負けるのか、俺は」


小さく、黒井がそう呟いた瞬間、振り抜いたトンファーが黒井の頭部を破壊し、血と肉と骨が辺りに飛び散って……光の粒へと変化したのだ。


ランスが刺さる位置が違えば、死んでいたのは俺の方だった。


そんな、勝ちを掴んだのはごく僅かな差だった。