東京ルミナスピラー

「クソガキが! 背中ばかり狙いやがって卑怯者が! 正々堂々正面から戦えねぇのかよ!」


流石に今の攻撃は効いたのか、着地と同時にPBSを開いて回復をした黒井。


「はっ! 東軍の人間のほとんどを鬼に変えて、鬼王だとか言われて調子に乗ってる卑怯者に卑怯者呼ばわりされるなんて嬉しくて涙が出るぜ。戦いに卑怯もクソもねぇんだよ。残念ながら俺はそんな騎士道を持ち合わせちゃいないんでね」


その発言が、PBSで回復をする為の時間稼ぎだということはわかっている。


それでも、宗司がいれば負ける気がしないと思えてしまう。


決定的なダメージを与えることは出来なくても、コンビネーションで黒井を上回れるから。


問題は、黒井を倒せる一撃を入れられないことだ。


どうにか、渾身の一撃を入れることさえ出来たら……。


そうでなければ、何度だって回復されて、消耗戦になってしまうのが目に見えている。


「生意気なガキだ。名乗れ。敵の名前を聞いてから殺すのが俺の流儀だ」


怒りに歪ませた顔が、少し穏やかになった。


「『百器丸』って呼ばれてる。神凪宗司だ、覚えとけ」


「……北条葵。ただの高校生だ」


俺がそう言った時、黒井は少し笑ったような気がした。