東京ルミナスピラー

親父さんを結城さんがなだめながら、父さんに視線を向ける。


父さんは父さんで、少し不機嫌そうにタバコを取り出して、それをくわえて火を点けると煙を吐き出した。


「年寄りの冷や水ってわけかい。まだまだ現役のつもりだったんだけどなぁ。昴が中年って言われるようじゃ、俺なんて老人じゃないか。でもま、自慢の息子の授業参観と決め込むかね。一本どうだい? 秋本」


「……いらん。タバコは辞めた」


宗司の提案を、文句を言いつつも聞き入れてくれた父さん達。


俺達が勝つと信じて……ってわけではなさそうだけど、やるだけやってみろって雰囲気なのがわかる。


きっと、殺されそうになったら文句を言われるのを覚悟で飛び込んで来るつもりだろう。


そんな状況で、誰よりも怒っていたのは黒井だった。


四人がかりで手も足も出ないのに、俺と宗司の二人だけでやろうと言うのだから、黒井の怒りも最もだ。


「テメェら……俺を舐めてんのかよ。授業参観だと!? ふざけてんじゃねぇぞ!」


「ふざけてるかどうか、やってみればわかるんじゃねぇの? 葵、呼吸を合わせるぞ。学校にいる時みたいに、お互いに何を考えてるかわかる感じでさ」