東京ルミナスピラー

そんな中で、俺の隣にフラリと現れた人影。


「なんだ? 今の今まで泣いてたガキか? テメェみたいなのはお呼びじゃないぜ。蘭子の血と臓物に塗れた泣き虫はよ!」


黒井の言うように、今の今まで泣いていたのだろう。


目の周りは涙で血が流れたのか、赤い色が薄くなっていた。


「許せないとか、蘭子を返せとか、多分俺にはそんなことを言う資格がないんだろうな。俺が原因でこうなったんだろうし、償う方法が俺にはわからねぇ」


宗司が短剣を両手に持ち、黒井を睨み付けた。


蘭子が殺されてしまったのには、俺も関係がないとは言えない。


だから、宗司のその気持ちはわかるつもりだ。


「一つ聞かせろ黒井風助。お前は蘭子に愛を与えてたのかよ。父親として、愛情を持って接していたのかよ」


「臭ぇこと聞くなクソガキが! 蘭子は俺の道具だ。それ以上でも以下でもねぇよ! 人の親子関係にまで口出しすんじゃねぇぞ!」


怒ったように吠えた黒井とは対照的に、口元が緩んだ宗司。


そして、ニタリと笑うと、黒井を見下すように口を開いたのだ。


「ああ……良かった。殺しても後悔しなくて済む極悪人で安心したぜ。俺も人のことは言えない小悪党なんだろうけどさ、吐き気がするほどの悪を初めて見たぜ」