東京ルミナスピラー

それでも何とか登り切り、天辺までノンストップで駆け上がった。


一刻も早く到着したいという思いは確かにあった。


黒井を倒したい、蘭子を救いたいという一心で、誰よりも早く到着したかった。


そして、スカイツリーの天辺までやって来た俺は……その異様な光景に自分の目を疑いさえした。


「やはりお前が最初に来たか。北条葵。高山真治と北条恵梨香の息子よ。そうだ、お前が一番相応しい」


腕組みをして、俺をジッと見詰めるのは……黒井。


そしてその後ろ……この頂上の中心には、黒く光る膜の中に、半分悪魔のような姿になった蘭子がいたのだ。


苦しそうな表情で、悲鳴を上げているように口を開き、発狂しているような姿。


いや……それだけじゃない。


「黒井っ! 今度は何を企んでいる!」


俺の後に、結城さんが、親父さんが、次々と到着してその光景に息を飲んだのがわかった。


宗司もやって来て、その蘭子の変わり果てた姿に言葉を失って。


「皆はーやーいー! もう全員いるじゃない……って、何あれ? あの子……妊娠でもしてるの?」


遅れてやって来た美空ちゃんが、蘭子を見るなりそう言った。


俺が気付いた違和感。


それは、蘭子の腹がまるで妊婦のように膨れて、それに苦しんで悲鳴を上げているように思えた。