東京ルミナスピラー

暗闇の中、ふわふわと空を走るようにスカイツリーに向かう。


近付くにつれ、何か異様なことが起こっているのだというのが目視でわかる。


「な、なんだありゃあ」


父さんが呆気に取られたように、そう小さく呟いたけど……その理由はわかった。


スカイツリーの天辺。


展望台よりもずっと高い位置にある、本当に先端部分。


そこに、黒く光る球体のような物が見えたのだから。


あの声はそこから発せられているように思える。


「名鳥さん、感じますか? この感覚はやつだ。黒井があそこにいるんだ」


「相変わらず高いところが好きみたいだな。『ヴァルハラ』でもスカイツリーを住処にしてなかったかあいつ」


結城さんと父さんの会話を聞いていて、俺は少し不安になったことがある。


この声……女の子が喚いているかのような悲鳴。


黒井に連れ去られた蘭子の声なのか?


何か嫌な予感がする。


「み、美空ちゃん、もっと速くならないのか? もしかしたらあそこに俺の仲間が……」


もどかしい気持ちを抑えながら、美空ちゃんに尋ねた時だった。


「まずいっ! 飛び降りろ! 来るぞ!」


親父さんが声を上げた次の瞬間、スカイツリーの天辺から伸びたレーザーのような物が、東軍の大地を焼くようにして空に振り上げられ、それに触れたトラックが真っ二つに切断されてしまったのだ。