「ちょっとちょっと、葵を凡愚呼ばわりとは、そりゃちょっと酷いんじゃないの? あんまり酷いと俺が黙っちゃいないよ?」


「まあまあ名鳥さん。暴走してる時の名鳥さんも、大概酷いことを葵に言ってたじゃないですか」


その影は、父さんと結城さん。


とんでもないメンバーが、あの声が気になってスカイツリーに向かっているんだ。


俺だけかと思ったけど、これほど頼りになる人達が一緒に言ってくれるなら心強い。


「……ところで、あの浮いている女はお前の連れか?」


俺達の少し後ろの上空を、ずっと付いてくるように飛んでいる美空ちゃんを見て、親父さんが尋ねる。


「え、ええ。俺と友達になった美空ちゃんです。東軍の子ですけど、なんか協力してくれるみたいで」


「……俺としては、美空ちゃんよりもその後ろにいるやつの方が気になるけどね。攻撃を仕掛けて来ないところを見ると敵ではなさそうだが……」


結城さんがチラッと後ろを見ると、それに気付いたのか人影が逃げるように線路から飛び降りた。


一体何者なのか気にはなるけど、今はそれよりもスカイツリーに行くことが先決だ。


破壊された街も、日が変わって元通りになっているから移動もしやすい。