長く、激しい悲鳴は、ホテルの中にいても聞こえる。


「何だ……これは! 東軍が来たのか!?」


慌てて塞がれている窓を日本刀で破壊し、外を確認すると、その声はスカイツリーの方から発せられているように思える。


「違う! これはちょっとヤバいんじゃないの!? 何が起こってるのかわからないけど、嫌な予感しかしない!」


「美空ちゃん、超能力で見れないのかよ! 俺のことは見てたんだろ!?」


「ダメ! 僕は直接会って、マーキングした人としかコンタクトを取れないんだよ。気付かなかったと思うけど、緑川さんと一緒にいたんだからね? 僕」


あの乱戦の時に美空ちゃんがいたのか。


いや、そんなことは今はどうだっていい。


誰が、どこにいるかわからなかったから身動きが取れなかったけど、スカイツリーに何か異変が起こっていると言うのであれば目的が出来たわけだ。


そこに何があるかわからない。


だけど、俺達の脅威になるのであれば、それを見過ごすことは出来ない。


舞美さんが教えてくれたよ。


早く手を打てば、回避出来た悲劇があるかもしれないってことをさ。


「俺、あの声の所に行ってくる。美空ちゃんはここにいろよ。危険なんだろ?」


そう言って俺は、破壊した窓から飛び出した。