東京ルミナスピラー

「あなた……これって」


「冗談だろ……なんなんだよこれは! まさか……」


父さんと母さんの驚きようは、俺や灯の比じゃない。


まるでこの世の終わりかのような顔でテレビ画面を見詰めている。


「ね、ねえ……ちょっと待って。この光の中に、秋葉原が入ってるんじゃないの!? お父さん! お姉ちゃんは今、秋葉原にいるんだよ!?」


「ひ、光!」


灯の言葉を聞くと、父さんはスマホを手に取り、玄関へと駆け出した。


一体何をしようってんだ父さんは。


まさか、こんな何が起こっているかわからない秋葉原に、姉さんを迎えに行こうってのか?


「父さん! 待って!」


そう考えると、いても経ってもいられなくなって、俺も父さんの後を追って走り出した。


玄関で靴を履いている父さんに追い付き、俺も靴を履く。


「……葵、お前は一体何をしようとしているんだ? まさか、秋葉原に行こうとしているんじゃないだろうな?」


「と、父さんは姉さんを迎えに行くんだろ? だったら俺も……」


玄関のドアを開けた父さんについて、外に出ようとした時、父さんは振り返って首を横に振って見せた。