東軍からの侵攻があり、その直後とさらにその後の聖戦はどの軍も動きがなかった。


俺は、美空ちゃんに言われるがままに一緒に食事をして、雑談をしたりして時間を潰した。


こちらから東軍に攻めるにしても、津堂や煌我の居場所もわからないし、黒井もどこにいるかわからない。


東軍に乗り込んで暴れたとしても、それが津堂達を炙り出すことにはならないのだ。


そして、この状況を打開する策が出ずに、俺達は夜を迎えることになった。


しっかりと食事を摂り、ベッドに横になりながら、美空ちゃんが言った日が変わるのを待つ。


「あのさ、僕の予想だからね? 日が変わって少人数で攻めてくるってのは。もしかしたら何もないかもしれないし……」


同じベッドに横になりながら、時計を気にしている俺にそう呟いた美空ちゃん。


「何もないかもしれないし、何かあるかもしれないよね。だから、それを確認してから寝ても遅くはないでしょ」


「それはそうなんだけどさ。それにしても時計見過ぎだよ。日が変わってすぐに攻めてくるとは……」


美空ちゃんが話している間に、時計の針が0時を指した。


と、同時に、どこからか街に響き渡るような悲鳴のような声が聞こえたのだ。