東京ルミナスピラー

「はは……相変わらず容赦ないね。俺は葵に散々酷いことを言って、もうこんな世界、どうなってもいいって暴れたんだ。そんな俺を誰も許しちゃくれねぇよ。老兵はただ去るのみだ」


「それが馬鹿だと言うのだ。『バベル』においても『ヴァルハラ』においても、お前のその無礼なまでの図太さは我々の精神的支柱だった。酷いことを言っても、大暴れしても、知ったこっちゃないと開き直ってみせろ。それが名鳥順一だろう? 20歳も歳下の妻をもらっても、好きに言ってろと周囲の影口を突っぱねたのではないのか?」


散々な言われようだけど、不思議と父さんは穏やかな表情で。


「え、恵梨香ちゃん。俺は……許されるのか? もう一度、葵は俺を、父さんと呼んでくれるのか?」


「そんなこと、私が知るか! 私に訊くことでもあるまい。昔のお前なら、たとえ葵が嫌がったとしても関係なく息子だと呼んでいただろうがな。お前は誰だ。私が葵を託した名鳥順一は、世の中の不条理など全て跳ね除ける、図太い男だったぞ。お前以外に葵を任せられる男などいるものか。さあ、名乗ってみせろ」


その言葉に、父さんはボロボロと涙を流して。


「ズルいよ恵梨香ちゃん。でも、恵梨香ちゃんのおかげでわかったよ。想いは……残ってるんだな。ああ、俺は名鳥順一。葵の父親さ」