東京ルミナスピラー

父さんを包み込んでいたドス黒いオーラが徐々に消えていく。


俺が勝ったからなのか、それとも父さんに想いが届いたのか。


ぼんやりと空を見上げる父さんが、悲しそうに小さく呟いた。


「でっけぇな……バベルの塔って、こんなにでかかったっけ」


「名鳥さん、正気に戻ったのか!」


父さんを相手にしながら、迫る鬼とも戦っていた結城さんが、その言葉を聞いて安堵したように尋ねた。


レベルが高い戦闘であればあるほど、勝負は一瞬で決まる。


その勝敗を分けるものはきっと力ではない。


強い想い。


それが相手より勝っているかどうかだと思う。


悲しみに溺れた父さんは、世界を恨み、俺を恨み、憎しみだけで戦っていた。


その負の感情を、俺が描く希望が打ち砕いたんだ。


ボロボロになって、動かすことすらままならない左腕でPBSを開いて回復をする。


「知らない間に、こんなに強くなってたんだな。子供達を守ろうと、強い親父になろうと頑張ったつもりだけどよ……その子供に目を覚まさせられるとは思わなかった」


「父さん……」


こういう時、俺はどんな言葉をかければ良いのかがわからない。


父と子という関係に甘えていたのだろうか。


だから一度その関係が壊れたら、掛ける言葉が見付からないのかもしれない。