東京ルミナスピラー

「えへへっ。僕は難しいことはわかんないけど、緑川さんの言うことで一つだけわかることはね、死んじゃったら楽しいことが何一つ出来ないってことだよね」


また聞こえた。


慌てて声が聞こえた背後に日本刀を振るってみるけれど、手応えは感じない。


「ちょっとちょっと! 話してる途中で殺そうとしないでよね! 僕は何もしてないのにさ!」


「フフフ。相変わらずですね安藤さんは。ですが残念ですね。この二人は、スーパー紳士緑川秋太が倒させて頂きますよ。あなた方はバベルの塔に登るのでしょう? 困るんですよ。私達はこの街にいるから生きていられる。おかしな願いは私達を殺すことになるのですから」


その言葉は、俺にショックを与えるには十分なものだった。


姉さんを、灯を助けたい。


その一心でバベルの塔を登ろうとしていたけど、この街を元の世界に戻してしまえば、死ぬ人達がいる。


この街が異常で、それを正常にするだけだから誰からも文句なんて出ないと思っていただけに、この考えは俺の中にはなかった。


「あなた方は津堂を悪と言うかもしれません。私から見てもあいつは悪で、到底許される行為をしているとは思いません。が、それでも私達にとっては救いなんですよ。いつ消えてしまうかもわからない命の灯火を、見せ掛けの炎だとしても再び灯してくれたんですからね」