東京ルミナスピラー

あれだけ戦闘では強い結城さんが、たったあれだけのやり取りで涙目になってるよ。


同じ「ヴァルハラ」でも、結城さんと秋本さんは敵対していたと考えたら理解は出来るけど、舞桜のは完全に色恋の話だからなあ。


既に結婚している結城さんに非はないとはいえ、今まで好き好きと言っていた人にあんな態度を取られると、流石にショックを受けるか。


「喋っとる暇はないで! さっさと行かんか! それにあの性戦の二人はまだ帰ってこんのか!? 戦いを舐めとるん違うか!」


これは大和さんの言う通りだ。


まだ道の封鎖が終わっていないのだから、早く行かなければならないのに、目の前で起こる愛憎劇を見入ってしまった。


「結城さん行きましょう! ほら、いつまでも落ち込んでないで!」


「あ、ああ……」


引き攣った笑顔を浮かべて、俺に続いて走り出した。


秋葉原駅から浅草橋駅までは約1km。


たったそれだけの範囲の中で、西軍の滅亡を賭けた戦いが始まったのだ。


北軍と南軍にとってもこれは他人事ではない。


西軍を落とされれば、次はそのどちらかが飲み込まれるのはわかりきっているのだから。