東京ルミナスピラー

「そう。平面で考えたらあかん。陸海空、全ての鬼が襲って来ると考えなあかんのや。せやからここ。この場所に南軍と西軍を展開させる!」


示されたのは昭和通り。


それも神田川を中心に、南北に伸びるように。


「川からの侵攻も陸からの侵攻もここで迎え撃つ! 中央・総武線の線路沿いと靖国通り! ここでやつらを食い止めるで!」


「なるほど。場所を絞り込めば、こちらに有利な状況に持ち込める……でも、こちらの思い通りに動いてくれますかね? 当然他の道を通ってやって来る鬼もいると思いますが」


結城さんの疑問は、ここにいる誰もが思っていることだろう。


いくら大和さんが指定した場所に軍を展開させても、東軍に回り込まれれば包囲される。


俺だってそんな都合のいい話はないと思っているけど……大和さんのことだ、何か策があるのだろう。


「それに関しては問題なしや。既に浜瀬隊に動いてもろとる。耳を澄まして聞いてみぃ。ほら、あの音がワシには勝利のファンファーレに聞こえるで!」


笑顔で手を耳に当てた大和さん。


そう言えば……何やら爆音のような物が遠くから聞こえているような気がする。


それが徐々にこちらの方に近付いて来てるような。