東京ルミナスピラー

ニヤリと笑った大和さんが、正面のビルを指差してPBSを操作すると、そこに大和さんのPBSの画像が投影された。


「何これ。PBSにこんな機能あったの!? 私知らなかったんだけど」


「あったり前や。こんなどうでもええ機能、誰が使うねん。ワシかて二回目やでこの機能を使うのは」


驚く夕蘭に対して、大和さんも呆れた様子で首を横に振って見せた。


「まあ、そんなことはどうでもええ。今回の作戦において重要なポイントはここや!」


壁に投影された地図に、赤いマーカーが置かれた。


その場所はここにいる誰もが予想していなかっただろう場所。


「神田川? 何を言っている。やつらは浅草橋駅周辺に展開しているんだろう? なぜ川が重要なんだ?」


親父さんも不思議そうに首を傾げて、怪訝そうな表情を浮かべた。


「あれだろ? 半魚人みたいな鬼を警戒してんだろ? あいつら、陸の鬼と比べてやたら好戦的で強いから、それを警戒するのは当然だ。戦ってて背後に回り込まれちゃあ壊滅する危険もあるからな」


伊良の言葉で、俺は川を渡った時のことを思い出した。


水面を走っていたら後を追って来た鬼達だ。