東京ルミナスピラー

料理をしていた母さんを真っ先に気遣って、台所に駆け寄る父さん。


「ええ、大丈夫。それよりそんな激しい地震、大丈夫かしら。電車が止まったら光を迎えに行かないといけないわ」


そんな母さんも、自分のことよりも家族の心配をしている。


「今の、地震というよりも爆発みたいだったよな。灯、怪我はないか?」


「え? え? あ、だ、大丈夫! そ、それよりもほら、テレビでニュースやってるでしょ。震源地とか震度とかもさ、ほら」


慌てて俺の腕を振りほどいて、テーブルの上にあったリモコンを手に取ってテレビを点けた灯。


俺達の視線がテレビに向けられる。


そして、映像が出ると、俺達は言葉を失った。







『現在ご覧いただいているのはライブカメラの映像です。ご覧下さい、東京に正体不明の光が現れました! 直径はおおよそ5kmくらいでしょうか。その中心に、真っ白な柱のような物がそびえ立っており、光の中との通信は現在不能となっており……』






それは俺の想像を遥かに超えた光景だった。


まるで光の膜が地面から噴き出しているかのようで、その中とは連絡が取れないという。


映画かドラマか、それともドッキリか。


この映像が本当だとはとても思えなかった。