東京ルミナスピラー

ひくひくと肩を震わせ、泣いている様子の蘭子に俺はどんな言葉を掛けられるだろう。


宗司は灯が好きだった。


だけど灯は俺が好きで、身を引いて蘭子を恋人にしたんだ。


だけど、灯にそっくりな沙也香が現れてしまって、胸に秘めていた灯への想いが爆発したのだろう。


そして捨てられてしまった蘭子。


最初は、蘭子を浅草橋駅に置いて、一番苛烈な戦場から遠ざけたかったんじゃないかとも思わなかったわけじゃない。


だけど、ここに現れた宗司は、そんな俺の微かな希望さえ打ち砕いてくれた。


蘭子にとって、それは絶望だっただろう。


最後まで信じようとしていた宗司に、こんなにも酷い形で捨てられてしまったのだから。


身体を震わせて、何やらブツブツと呟いている姿は……見るに堪えない。


大和さんも夕蘭も、こういうのは苦手だと言わんばりに俺に視線を送ってくる。


まったく……そんなの俺だって苦手に決まってるじゃないか。


ゆっくりと身体を起こして、蘭子に近付いた。


「あー……えっと。なんだ。美味しいものでも食べに行こうか蘭子。嫌なことは忘れなきゃな」


なんて、本当に気の利いたことが言えない自分が情けなくなる。