東京ルミナスピラー

龍が見える?


ここでグラスを、光速の拳で消滅させた時はそんな物は見えなかった。


その言葉から考えられることは二つ。


当時の俺が弱くて、タケさんが言う龍が見えなかったという可能性と、あの時よりもタケさんがさらに強くなって技の精度が上がったということ。


……どちらにしても絶望的と言わざるを得ないな。


「先に言っておくぜ。青龍……青龍光燐拳(せいりゅうこうりんけん)は言わばチート技だ。当たれば消し飛ぶ。避けねぇと……お前、確実に死ぬぞ」


「タケさんの攻撃速度で避けないと死ぬって言われてもね……普通に殴られただけでも死にそうなのに」


そんなタケさんがチート技というくらいだから、相当な威力なのだろう。


それこそ相手が消し飛ぶくらいのさ。


「とくと味わえ! 俺の最強の拳! 青龍光燐……」


グッと握り締めた右の拳を引いて、タケさんが俺を睨み付けた時だった。


ガンッ! という音と共にホールの扉が開き、二人の男女が中に入って来たのだ。


「タケさん、そろそろこの長ぇ喧嘩に終止符を……って、葵? なんでお前がここにいるんだ? いや、そうじゃない。お前、立ち直ったのかよ」


乱暴に扉を開けたのは……宗司だった。