東京ルミナスピラー

「どうするんや葵くん。一旦退くか? 何の準備もなしに戦って勝てる相手やないし、そもそもタケさんと戦う理由なんてどこにもあらへん」


このホールの入り口のドアは開いている。


きっと、俺が振り返ってここを出れば、タケさんは拳を下ろすに違いない。


そしてタケさんの中で、完全に俺に対する興味が消えてしまう。


この人はそういう人だ。


そしてこの街全体が、そういう風に出来ているんだ。


「大和さん、いつ、どこで強敵と戦うことになるかなんてわかりません。それこそ、準備なんて何一つ出来ない状態で戦うこともある。だから俺は……退かない」


右手に日本刀、左手にトンファーを取り出して、俺は一歩前に出た。


「わかってんじゃねぇか! さあ、戦う覚悟のねぇやつはここから去れよ! 今から始まるパーティの邪魔だ!」


激しくひと踏み。


ドンッとステージを足で鳴らすと、それに驚いた夕蘭が険しい表情に変わって戦斧を取り出した。


「こんのクソ親父! そういうわからず屋だから、ママが愛想を尽かしちゃうんだろ!」


「何とでも言えやガキが! 後は大和……テメェはどうする。逃げるか、戦うか」