東京ルミナスピラー

「そうや。篠田さんも宗司くんも、今まさにその状態と言える。ただ悲しいことに、お互いに『自軍の人間を守る』っちゅう想いで動いてるのに、お互いに考え方が違うから戦争になっとるんや」


それは本当に悲しい話だ。


自軍の人間を守る為に、自軍の人間を巻き込んで戦争を起こしている。


お互いに、退くに退けないところまで来てしまったのだろう。


だから、今の膠着状態の睨み合いは、無駄に犠牲を出さずに済む最良の状態だと言えるわけだ。


……和解という道を除けば。


「……宗司くんに焦りがあるのは間違いないで。葵くんと同じく『運命の少年』と言われてるのに、篠田さんに勝てずにおるわけや。そんな中で葵くんの噂が耳に入る。『運命の少年』が南軍最強の結城昴を倒した……ってな。結城さんは『ヴァルハラ』の『運命の少年』やった人や。葵くんこそが真の『運命の少年』やと信じる人も多い」


「つまり……蘭子ちゃんが浅草橋駅から離れて、私達と一緒に来たから東軍に攻め込まれた……ってだけじゃなさそうだね。宗司の軍にもその噂を聞いて、宗司を疑う人も出始めたってとこかな」


「まさにその通りや。仲間同士で戦うのに疲れとる人達もおる。そんな中で自分の大将が『運命の少年』じゃないって疑い始めたら、士気に影響が出まくるで」