東京ルミナスピラー

ぼんやりと頭の中で、その状況を思い浮かべてみる。


えっと、どちらにも正義がない状態だとすると……わかりやすく言えば「悪」と「悪」の戦いだから、相手が「悪」というのはわかる。


じゃあ、どっちも「正義」同士だった場合は……相手は「正義」じゃないのか?


「いや、正義同士なら相手も正義になりませんか?」


「その前提がおかしいねん。なんで相手が正義とわかってて戦うんや? 相手が正義なら、自分は悪なんか?」


……そう言われて、やっと大和さんが言わんとしていることがわかった。


SNSだってそうだ。


相手に一理ありと思えば、「なるほどそういう意見があるんだな」と納得して喧嘩にはなりにくい。


自分こそが絶対的に正しくて、相手が間違っていると思い込めば思い込むほど、相手の意見は見えなくなって、自分の意見が世の中の正義と言わんばかりに相手を責め立てる。


つまり、自分にとっては相手に正義があろうとも、自分の正義とは異なるから「悪」となるわけだ。


「なるほど……どちらの相手も『悪』って意味がわかりました。それが割り切れなかったから俺は……」


北軍浄化会での事を思い出しながら、俺は空を見上げた。


戦闘という道を選ばずに、対話という道もあったかもしれないと。