東京ルミナスピラー

~数日前~


「ふぅ……相変わらず身体だけは100点だな。何度やっても最高の締まりだぜ」


男は満足そうにズボンを上げると、道に倒れている女に目もくれず、さっさと路地から抜けて大通りに出る。


女……是松美智は、捲れ上がったスカートも直そうとせずに、ただ泣くことしか出来なかった。


それは、拓真といつもの喫茶店で会った日の帰り。


同じグループの田中と遭遇して、路地に引き込まれて性行為を強要されたのだ。


「うう……どうして私がこんな目に……助けて、拓真さん」


そう呟きはしたが、好きな人にこの惨状を伝えるというのは、是松にはとても出来なかった。


この殺し合いやレイプが横行する街で、是松が出会った唯一心安らげる人が拓真だったから。


路地の奥の方に転がる、自身と同じ目に遭ったのか、倒れている人達に目を向ける。


あの人達は生きているのか死んでいるのかもわからないけど、是松は何とか身体を起こし、下着を上げて、乱れた衣服を直した。


拓真と会う日以外はいつもボサボサの髪も、今日はまとめていたのに、この性行為でまた乱れてしまって。


あまりに惨めな現状に、涙を流しながら路地を出ようと歩き出した。