東京ルミナスピラー

「ほほう。それはそれは。しかし俺としては灯の方を嫁にもらってほしいね。俺の経験上、葵には灯みたいな口やかましい子の方があってるよ」


一体何を言ってるんだ父さんは。


確かに俺は灯と血の繋がりがないけど、兄妹同然で育ったのに嫁に……って。


「や、やだ。お父さんったら」


おいおい、灯も照れてるんじゃないよ。


こういう時に、どうも俺とこの家族の間でズレが生じるんだよな。


皆、幸せそうで、そんな中にいられる俺も幸せだと感じるけどさ。


「お姉ちゃん、まだ秋葉原だって。あと30分はかかるね」


スマホでメッセージのやり取りをしたのだろう。


灯が顔を上げてそう言った時……それは起こった。











ドンッ!!









という、衝突音のような、爆発音のような物が聞こえて、床が激しく跳ね上がるような感覚に襲われた。


「う、うわっ!? な、なんだ!?」


「きゃ、きゃっ!」


そのあまりの爆音と揺れに、バランスを崩した灯が俺の方に倒れてきて、それを受け止めた俺は揺れが収まるのを待った。


「じ、地震か? それにしては……明ちゃん、大丈夫!?」