綺月君の真剣な瞳。
 
 力強くて。魅惑的で。
 見つめられるだけで、脳がとろけそうになる。




 これから起こること。
 ちゃんとわかっている。

 今日、2度目だから。



 でも、拒みたくなくて。
 もう一度、触れて欲しくて。

 受け入れたように、
 私は自分の瞳を、ゆっくりと閉じた。





 優しく触れて。
 離れて。また触れて。

 私の唇の感触を確かめるような、
 甘いキス。

 
 血と混ざって、
 体中を巡っているんじゃないかと思うほど、
 幸福感で満たされていく。



 ゆっくり離れていく綺月君の唇。

 もう少しだけと、お願いしたくなった。



 ひゃっ!!
 何、この感情!!
 
 私じゃないみたい!!



 恥ずかしくて。

 どんな顔をして、綺月君と
 目を合わせていいかわからなくて。


 ボッっと燃え上がった頬を
 肩まで伸びた前髪で、必死に隠す。