ぼっちのキミに毒はまり ゾルック 一人目



 綺月君の驚き声が、
 私の耳の中にこだまして。


 『う』の口のまま固まっている自分の唇に、
 違和感をおぼえて。


「ひゃっ!!」

 私は、慌てて口元を手で隠した。



 言っちゃった!
 心の声、口から漏れちゃった!

 『綺月君のこと、好きになっちゃいそう』
  なんて。



 陰キャでボッチの私が。

 身の程知らずなことを、
 綺月君に伝えちゃった!!


 怖いよぉ、
 綺月君の顔を見るのが。

 目なんて、開けられないよぉ。