「1回……だけだよ……」
諦め声を返し、
私は思いっきりまぶたを閉じた。
私の隣に座ったままの綺月君。
ベッドが沈んで。
綺月君の手の平が、私の首筋に触れた。
ん………
まだ、何もされていないのに……
心臓が壊れちゃいそうなほど……
苦しい……
ドキドキしすぎて。
閉じた目蓋と唇に、
いっそう力が入っちゃう。
綺月君の吐息が私の耳を撫で。
綺月君の柔らかい髪が、私の頬に触れ。
私の心臓の限界が、自分で分かった。
「き……綺月……君……」
「何、その声?」
へ?
「やめて欲しいわけ?」
やめて欲しいとか欲しくないとか、
そんな事はわからないけれど……
これ以上のドキドキが続いたら……
私……
「綺月君のこと……
好きになっちゃいそう……」
「え?」



