ぼっちのキミに毒はまり ゾルック 一人目




「素敵な曲ができるといいね」


 二人をまとう
 重苦しい空気を一掃したくて、
 なんとか、声を跳ね上げた。

 綺月君を見て、笑ってみた。
 ニコって。



 驚いたように、目を見開いた綺月君。


 しばらくして、
 フッと笑って。冗談声を出した。



「そりゃ、毒ハマりするよな。
 俺も、天音も」


 ん? 

 いきなり、天音君の名前も出てきたけど。
 意味が……分からない……



「綺月君と天音君が……
 毒を盛られたの?」


「心美の頭ん中、白雪姫かよ?」


 ほぇ?


「俺は、赤ずきんの方が好きだけどな」


 綺月君。

 病気のおばあさんを気遣う、
 優しい女の子がタイプなのかな?

 

「心美……」


「ん?」


「キス、してもいい?」




 ……

 ……


 ひょ……ひょえぇぇぇぇ???


 キ……キ……キス????

 

「心美の……首に……」


 首かぁ。
 ビックリしたぁ。


 って。
 首でも、ダメだよ。


 だって……

 手が触れているだけで、
 こんなにドキドキしているのに。


 唇以外でもキスなんかされたら
 倒れちゃうかも。


 このまま、綺月君のベッドに。
 バタリって。