ぼっちのキミに毒はまり ゾルック 一人目



 ふーっと安堵のため息を吐き出し。

 口角がちょっぴり上がるくらい、
 心臓が落ち着いたと思ったのに。



 ひゃぁぁぁぁあ!!!



 右手にぬくもりを感じて。
 私の肩が、わかりやすく飛び跳ねた。



 私の右手に重ねられた、
 綺月君の左手。


 触れられているだけなのに。

 綺月君の温もりと
 私の温もりが混ざり合って。

 目を開けられないほど、恥ずかしい。



 ひゃっ!!  
 ひゃひゃっ!!


 私の指の形をなぞるように。
 綺月君の指が、スーッと滑っていく。



 手しか、触られていないのに。
 
 もう……
 耐えられない……



 私は、思いっきり閉じていた瞳を
 震えながら開けた。


 そして、隣に座る
 綺月君を見上げたけれど……


「俺の顔……見るな……」



 恥ずかしそうに
 私から瞳を逸らした綺月君の頬が、
 真っ赤に染まっていて。

 テンパっているような姿が、可愛くて。
 でも、カッコよくて。

 余計に、私の顔の熱が上がってしまった。