「ここに、座って」
綺月君の部屋に入り。
綺月君が指さしたのは、ベッド。
いつ爆発してもおかしくない、
時限爆弾のようなドキドキ。
顏なんて、上げられない。
頷くことが精いっぱい。
だって、わからないんだもん。
聞きたいんだもん。
なぜ、抱きしめたの?
なぜ、キスしてきたの?
聞きたいけれど……
そんな勇気、私にはないよ……
重なった唇の温もりが、
刻印のように唇に焼き付いていて。
思い出すと
心が火だるまになりそうなほど、熱くなる。
ひゃ!!
き……綺月君。
隣に座らないで!!
私の心臓、耐えられそうにないから!!
「ここ……み……」
綺月君も、ドキドキしてるのかな?
そう思えちゃうほどか細い声が、
私の耳に。
それでも私は、
顔を上げられないまま。



