「心美、そんな顔すんなよ」
そんな顔って……
どんな顔をしてますか?
茹でダコと対決できちゃうくらい
顔が真っ赤になってる自信、
ありアリですが……。
「あ~もう、ムリ!!」
「綺月……君……?」
どうしちゃったんだろう。
いきなり頭なんか振って。
私、怒らせちゃった?
「心美さ、悪いけど、
リビングから出てってくれない?」
「あ……うん」
『あ~』と頭を掻きむしりながら、
ソファに腰を下ろした綺月君。
目が吊り上がっている。
眉も、吊り上がっている。
眉間のシワも、深くくっきり。
「なんか……ごめんね……」
怒らせちゃったことを一応謝って、
私はリビングから出た。



