ぼっちのキミに毒はまり ゾルック 一人目



 ふふん~と、陽気に鼻歌を歌いだした千柳。

 体を揺らしながら、腕時計をぽちり。


『せつな、今大丈夫?』


『ご用ですか?千柳様』


「今週末限定のゾクゾクパークのペアチケット。
 用意できる?」


 ん?
 千柳の家が経営している、遊園地?


『かしこまりました。
 えっと……
 千柳様が……行かれるのですか……?』


「違うよ。綺月と心美ちゃん」


 はぁ?


「俺、そんなこと頼んでねぇじゃん」


「だって綺月は、
 心美ちゃんと二人きりだと
 とんでもないことしちゃうでしょ?」


「だからって……
 いきなり二人で……遊園地とか……」

 ムリだって……



 絶対にテンパるし。
 緊張しすぎて会話できるか、わかんねぇし。

 心美のこと、楽しませる自信もねぇ。