「ちょっと早いけど、ディナー行っちゃう?
お兄さん、
綺月がガツガツ食べる姿、見たいなぁ」
「行かない」
「綺月の食べたい物
思う存分食べさせてあげるよ」
「夕飯は、家で食べるから」
「ふ~ん。
新妻の手料理よりおいしいものなんて、
この世にないってことね」
「新妻って……
心美と、付き合ってもねぇのに……」
「『告白する勇気がない』の
間違いでしょ?綺月」
う……
図星すぎて、反論できねぇ……
いつも笑って。
ゆるゆる生きていそうな千柳。
油断していると、
鋭い言葉の矢が飛んできて。
俺の心にグサッと刺さる。



