「心美ちゃん、中庭でお弁当食べよう」
「あ……うん」
天音は心美の腕を掴むと、
俺を思いっきり睨んだ。
ぼさっとした前髪の隙間から、
わずかに覗いた左目。
見間違いかと思って、
二度見したけれど。
マジかぁ……
天音って、
すっげー綺麗な顔してるじゃん。
顔面偏差値、高すぎ。
前髪を切って。
真ん丸な瞳をさらして。
ニコって笑えば。
王子に間違われるくらい、
綺麗な顔をしているじゃん。
この高校に入った時から、
ずっと心美の隣を陣取っている天音。
根くらでダサ男の正体が、
夢見る乙女たちのドストライク顔という現実に。
俺の心が、一瞬で粉々に。
ヒュルルルル~
氷風で跡形もなく、飛ばされた。



