でも、
和がキスしているのは、心美じゃない。
天音の方。
っていうか。
天音が自分から、
和の唇を奪ったように見えたが……
慌てて顔を離した和。
青ざめた表情で、
その場に立ちつくしている。
俺は、慌てて和に駆け寄った。
「和、何やってんだよ!」
「なに……って……
ばつ……ゲ……ム……」
和の奴、大丈夫かよ?
男とキスして、
魂が抜け出しちゃってるじゃん。
俺が崩れそうな和の肩を
支えたと同時、
不気味に口角を上げた天音が
和に囁いた。
「男とキスなんて、
サイコーの罰ゲームでしょ?」
和は返事もできないほどの
放心状態。
天音の目が、
重い前髪で隠れて見えないだけに。
幽霊みたいで ゾッとさせられる。
毒が盛られているような天音の声が、
さらに、和の心の傷をえぐっていく。
「覚えておいて。
僕、心美ちゃんのためなら、
君のこと、殺せるからね」
天音って、こんなヤバい奴だったのかよ?
マジで怖ぇ。
心美に何かあったら、躊躇なく人を殺めそう。



