「この前俺たち、見ちゃったんだけど」
「そうそう。超絶綺麗な美女と、
コンビニで綺月が、歯ブラシ買うところ」
「お泊りかよ?俺らに言えよ。
そういう女がいるならさ」
「あの人とは、
そういう関係じゃないってば」
「じゃあ綺月、どういう関係なんだよ?」
あ~。しつけー奴らだな。
俺が違うって言ってんだから、信じろよ。
「綺月、説明しろよ~」
もう、無視。
こんなウザい奴ら、
好き放題に言わせておけばいい。
そう思って、弁当の蓋を開けた瞬間。
「オオー!!!」
俺の心の声を、
こいつらが代弁してくれた。
心美が作ったおかず、全部手作りじゃん。
マジでうまそう。
勝手に頬が、にやけてしまう俺。
こいつらが、
俺の変化に気づかないはずもなく……
「綺月も、そんな可愛い顔するんだな~」と
肩をぶつけてくる。



