「ヴァン様のフィギュアだけど……」
なんだ、そのことか。
俺のドキドキ、返せよ。
どうせ、
綺麗に髪を切ってとか言うんだろ?
「安心しろ。
それなりの髪型に、してやるから」
「違う……」
「は?」
「そんな、お願いじゃなくて……」
じゃあ、なんだよ?
頬を赤らめて。
オドオドして。
俺のこと、じらしてんじゃねぇよ。
「え……と……その……」
「だから、何?」
「あの……」
「早く言えよ」
「……綺月君みたいなのが……いいな」
「はぁ?」
「だから……ヴァン様の髪型……
綺月君みたいに……
肩につかないくらいで……」
で?
「前髪……
綺月君みたいに……分けてる感じ……」
「なんで?」
その答え次第じゃ、
学校の焼却炉に、明日ポイするけど。
「綺月君とヴァン様って……
似てるなぁって思って……」
…………
…………
はぁ~~??



