暴れる心をごまかすように、
 不愛想な声を心美にぶつける。


「何?」


「感動……しちゃったね……」



 涙目で。

 タンポポが咲いたように、優しくニコっ。




 微笑むな!!
 

 俺と二人だけのこの部屋で。

 俺だけに心を許したような、
 贅沢な笑顔、見せんな!!


 かわいすぎて
 オマエのこと、抱きしめたくなるから。



「ま……まぁな」


 なんとか返事をしたけれど

 言えねぇ……
 


 心美が泣いている方が気になって

 ヴァンなんか、
 めった刺しにされても良かったなんて。