綺月君がテレビをつけてくれて。

 慌てて、クッションに座った私。



 綺月君はというと。

 気配すら感じないくらい後ろに
 クッションを移動させ、座りだした。



 綺月君の部屋に、
 私と綺月君の二人だけ。


 アニメに集中できないほど、
 バクバク音を立てる、私の心臓。
 
 でも、それも最初だけ。



 ヴァン様が
 悪の魔法使いに捕らえられて。

 十字架に、くくりつけられ。

 刀で心臓を一突きされそうな状況に、
 涙が止まらない私。



 いつのまにか綺月君へのドキドキが

 ヴァン様へのハラハラに変わっていた。