心配のため息が、口から漏れた時
「早く座れよ。
もうすぐ、アニメ始まるぞ」
テレビの前に、
綺月君がクッションを置いてくれた。
離れたところに、もう一つ……?
「綺月君は…… 見ないよね……?」
「俺は……」
「そうだよね。
私と違って、アニメに興味ないよね?」
綺月君の返事を聞くのが怖くて
自分の心を守るように
言葉の壁を積んだのに。
「俺も……見るし……」
「え?」
予想外の言葉に
わかりやすく固まった私。
「だから、俺も見るって言ってんの」
もしかして綺月君って……
「ヴァン様推し??」
「違うし!」
そこは、全力否定なんだ。



