ぼっちのキミに毒はまり ゾルック 一人目




『立花? どうした?』


 ドアの外の声に
 返事をする余裕なんてない。

 だって……


 現実を直視したくないくらい、
 ショックが大きすぎなんだもん。



 私の……大事な、大事な……

 ヴァン様がぁぁぁぁ……




「返事しろって!」


 ヴァン様ぁぁぁ……


「開けるぞ!」



 そう言って入ってきた綺月君に、
 涙目でヴァン様を突きだす。



「何? そのフィギュア」


「切っちゃったの……」


「はぁ?」


「だから……ヴァン様の髪を……
 チョキンって……」


 腰まであったヴァン様の髪。

 右側だけが、胸上になってしまった。