『立花? どうした?』 ドアの外の声に 返事をする余裕なんてない。 だって…… 現実を直視したくないくらい、 ショックが大きすぎなんだもん。 私の……大事な、大事な…… ヴァン様がぁぁぁぁ…… 「返事しろって!」 ヴァン様ぁぁぁ…… 「開けるぞ!」 そう言って入ってきた綺月君に、 涙目でヴァン様を突きだす。 「何? そのフィギュア」 「切っちゃったの……」 「はぁ?」 「だから……ヴァン様の髪を…… チョキンって……」 腰まであったヴァン様の髪。 右側だけが、胸上になってしまった。